マエカワの備忘録的な何か

思い立ったが吉日

認知科学 其の五 20171101

手話について

 手話は一般に手の動きを重視されがちだが、それ以上に非手指動作も大事になる。これら表情などが文法などの役割を担うことがわかっている。

手話法vs.口話

 長年この対立は続いている。1880年ミラノ宣言で口話法(マジョリティ)が採択された後、手話法は劣っているものとしてみなされてきた。
 しかし、「手話の構造」において、手話はただのサインやジェスチャーなどではないことがわかってきた。手話を使っているときの脳の活動を調べてみると、言語野が活発になっていることが分かったのである。さらに、手話にもネイティブや訛りのような特徴がみられることもわかってきた。日本においてのネイティブ手話は「日本手話」。訛りにあたるのは「対応手話」や「中間手話」になる。

ニカラグア手話

 内戦が終わったのちのニカラグアでは、障がい者に対しての配慮や意識が高まり、聾者に手話を会得させようとする動きが始まった。この動きの中で、ニカラグア手話と呼ばれるものが無の状態から生まれ、研究の対象となっている。

 難聴者は視覚が聴覚にマッピングされていることがある。
 蝸牛インプラント(人工内耳)という解決策も存在するが、この治療は早い時期が好ましい。
 口語法は健常者のもの。これを強制するのはいかがなものだろうか。人にはそれぞれ適した環境があるのだ。

点字

 点字はテクノロジーと組み合わせることが容易にできる。
 盲者は「点字に触れること」が「見ること」にマッピングされている。記憶するときには視覚野が活発になるため、一般的に成績がいいとされている。

 ここまで、手話・点字について書いてきた。どこかの機能に障害を持っている人は、その機能を補うようにしてほかの機能が鋭敏になるという。また、先にも書いた通り、健常者のエゴで口話法を押し付けては決していけない。

資料映像①「私は奇跡ではない」

 盲聾二重障がいの持ち主であるヘレン・ケラーの話です。彼女の話の中では「井戸端の軌跡」が有名すぎる。

井戸端の軌跡

 パーキンス盲学校時代、アニー・サリバンはヘレン・ケラーの掌に水を当てながら「water」と文字を書き、彼女に「全てのものには名前がある」と発見させた。これが井戸端の軌跡の概要。見えない・聞こえないでモノをモノだと知覚することさえ難しかったヘレン・ケラーに「モノ」そのものを認識させることができたのは奇跡という他ない。
 ここで気を付けたいのは、手のひらに水を当てながら「water」と書くことは、フィードバックそのものだということだ。前回の講義でも話題に上がったが、盲聾者は自分のやったことがわからない。なので、フィードバックをすることにより洗練している。声なら例えばてを 口に当てて。前回の映像では、指信号なんてのも出てきていた。

パーキンス盲学校

 ヘレン・ケラーが通っていた学校。ここでは今でも、盲聾障がいの最先端の教育を行っている。それでも盲聾障がい者の言語習得は難儀なものであるらしい。椅子に座ってくれているだけでも、すごいことだろう。

パスカルピオーネの論文

 この論文で書かれているのは主に次の内容。

  • 盲聾者がモノに触れているとき、言語野のほかに視覚野と聴覚野が活発になっており、この作用によって脳に何かしらの変化が見られる。健常者にはこの傾向は見られない。
  • 脳には、障がいに適応している能力が元から備わっている。また、この現象は生きているうちにずっと続く。

講義では、このような脳の変化を「模様替え」と称していた。

脳で見聞きしている

 パスカルピオーネの論文からも、ヘレン・ケラーなどの盲聾者は脳で見聞きしていることが明らかになってきた。この機能こそが軌跡なのだという。ヘレン・ケラーも、自身の書籍「わたしの住む世界」の中で

指は視覚と聴覚をつかさどり、心でその情報をまとめる

と書いている。

そのほか

 ケラー家は割と裕福で、農場を経営していた。
 地元では「奇跡の人」が毎年演じられている。しかし、その内容は「井戸端の軌跡」のみだそうだ。

資料映像②「about 福島智

 日本のヘレン・ケラーと呼ばれる福島智さんについての映像です。一見普通に会話しているように見えましたが、ずっと昔の記憶で発生しているそうです。きっと、自分の中でその経験をフィードバックし続けているからこそ成せる業。現在は、指点字で外部の情報を入力してもらっていますが、この域に達するのは2万人いるといわれている盲聾者の中で、わずか100人ほど。専門は障害学です。

障害学

 福島さんは障害学を「バリアフリーを取り巻くバリアを取り除くこと」と言っています。

障害とは何なのか

 障害とは、「誰かがどこかで決めているもの」で、「そういう風に扱われること」。きわめて社会的なものだといいます。産業革命以後、この流れがより顕著に。優劣やハンデといったものが「障がい」という言葉の中に凝縮されている。

苦悩とは

 ここでは、ユダヤ人のヴィクトール・フランクリンが示したある等式を最初に出します。

  • 絶望=苦悩-意味

フランクリンはナチス強制収容所に収容され、いつガス室送りになるかわからないという極限状態でこの等式を体験的に導いた。福島さんは、この等式を、

  • 絶望+意味=苦悩

という形に変形した。苦悩とはただ苦しいことではない。そこに意味があるからこそ苦悩。また、さらに変形して

  • 意味=苦悩+希望

苦悩の中に希望を見出すことこそが人生の意味だという。

 先ほどのフランクリンだが、奇跡的な生還を果たしている。

ユビキタスネットワーク 其の六 20171113

IPヘッダの続き

3行目

TTL(Time to Live)

 IPデータグラムが生存できる時間。ルータを経由するごとに1減っていき、値が0になるとIPは捨てられる。
 フラグメントされたIPの一部が無くなった場合、送られたIPフラグメントはTTLに示された秒数が経過した時に捨てられる

プロトコル

 IPデータグラムのプロトコルが書かれている。

ヘッダ・チェックサム

 ビット誤りを検出するもの。検出の手順は次の通り。

  1. 2バイトごとに「1の補数和」を計算する
  2. 計算したものの「1の補数」を取る

こうして得られた結果がヘッダ・チェックサム
 IPデータグラムの受信側はデータの「1の補数和」を計算。この値と受信したヘッダ・チェックサムを足して、すべての桁が1ならば誤り無しと判定。ただし、どこが誤っているのかはわからない。
 ソフトウェアで処理する必要があるので、パリティ符号なども採用されている。ハードウェア処理向きのものにはCRC(Cyclic Redundancy Check)などがある。

4行目

 送信元IPアドレスが書かれている。

5行目

 宛先のIPアドレスが書かれている。

6行目

 ここから先はIPオプションと呼ばれる。

IPレコードルートオプション

 途中のルータのアドレスを記録するもの。

IPフォワーディング

 IPが送信要求を受け、宛先アドレスを受け取った際に、どのように動けばいいのかを参照しなければならない。そこで、登場するのが、ルーチングテーブル。この中には宛先アドレスとそのアドレスに対する指示が対応付けられて入っている。IPは宛先アドレスでルーチングテーブルを参照。次の指示をもらう。

ルーチングテーブルの構造

 主な内容は次の通り。

  • 宛先アドレス
  • ネットマスク:サブネット部分を1、それ以外を0にしたもの
  • ゲートウェイ送信先に送るために必要な次のノードのアドレスが入っている
  • インターフェース:ゲートウェイに送るために使うもの
  • メトリックス:エントリの優先度

 これらの組の集合になっている。各組合せのことをエントリと呼ぶ。

参照の方法

  1. 参照された宛先アドレスとネットマスクのANDを取る
  2. その結果とルーチングテーブルにある宛先アドレスが一致したものを選択
  3. 複数ヒットした場合は、ネットマスクの1の数が最大のものを選ぶ
  4. それでも決められない場合は、メトリックスが最小のものを選ぶ
  5. 選択したエントリのインターフェースから出力する

ARP

 PCから自宅のLANを使ってルータに接続する場合を考える。
 これまでのIPヘッダやルーチングテーブルには宛先のIPアドレスは入っていても、MACアドレスは入っていない。なので、ルータのMACアドレスがわからない。ルータに向けて通信することができない。
 こんな時に活躍するのがARP。これを使って目的のSTAに送ることができる。手順は次の通り。

  1. ARP要求メッセージをLAN内にブロードキャスト
  2. 該当IPを持ったシステムがARP応答する
  3. 宛先MACアドレスがわかる

雑ですがこんなことが起こっているようです。
 最初に送るARP要求メッセージには、送信元のIPアドレスMACアドレス、ターゲットのIPアドレスMACアドレスを書ける領域があります。ARP要求時はターゲットのMACアドレスは空。ARP応答の送信元MACアドレスの部分に目当てのMACアドレスが入っているという算段です(応答時の送信元はターゲットだから)。

ARPキャッシュ

 ARPのような仕組みがあっても、送信時に毎回この手順を踏んでいたらさすがにめんどくさい。ということで、20分間IPアドレスMACアドレスの対応を記録できるARPキャッシュが各接続端末に導入されている。
 ARP要求段階で、送信元IPアドレスMACアドレスの対応はブロードキャストされている。そのため、同一LANに接続されているSTAはその対応を知ることができる。これにより、IPアドレスMACアドレスの対応を効率的にARPキャッシュに保存できる。

Gratuitous ARP(根拠のないARP

 では、ARPキャッシュが定める20分が経過しないうちにIPアドレスMACアドレスの対応が変更されてしまったらどうするのか(具体的には、電源が切れたとか この場合、IPアドレスが再起動時に変更されてしまう可能性がある)。この場合は、アドレス対応が変更された時点で、ターゲットを自分自身としたARP要求をブロードキャストする。これによって、同じLANに接続されている端末全員に自分のIPアドレスMACアドレスの対応を通知できる。また、ここでARP応答が返ってきたときは、IPアドレスを重複して割り振っていることがわかるので、一石二鳥。

Proxy ARP(代理ARP

 別のノード宛のARP要求に、代わりに応答する機能。サブネットが違うノードへ送信したいときに、ルータがこの機能を使う場合がある。これにより、要求側の端末はあたかもサブネットが同じノードと通信しているようにふるまうことができる。
 また、これを悪用することによって通信を盗むこともできます。

ユビキタスネットワーク 其の五 20171106

IPv4

 NICが管理しているアドレスで4バイトで構成されている。接続されている端末一つ一つにユニークなアドレスが割り振られている。イメージだけだと、IEEEが管理しているMACアドレスみたいな感じです。PCを買ってきたらすぐに振らなければならない。
 NICが決めるところをnet-idユーザーが決めるところをhost-idと呼ぶ。

IPv4のクラス

 net-idとhost-idの割り振り方はクラスという単位で区別されている。

  • クラスA:0+(net-id : 7bit)+(host-id : 24bit)
  • クラスB:10+(net-id : 14bit)+(host-id : 16bit)
  • クラスC:110+(net-id : 21bit)+(host-id : 8bit)
  • クラスD:1110+(マルチキャストグループID : 28bit)
  • クラスE:1111から始まる(将来のためにとっておく)

 基本はクラスAからクラスCで、ここには企業が割り当てられている。しかし、2011年に枯渇。

マルチキャストアドレス

 クラスD。IPTV(ネットテレビ、生放送など)で用いられている。受信しているSTAに割り当てられるアドレス。
 一度にどれだけのSTAが受信しているかわからないので、ルータ経由で、受信を希望しているSTAに割り当てられる。

IPアドレスの割り当て方

 host-id部分に異なる値を割り当てることで、全ての通信インターフェース割り当てられる。ここでは、LANのことをサブネットと呼ぶことにする。IPv4を割り当てられた企業組織は、host-id部分を「サブネットid」と「ホストid」に分けて利用することで、自社内すべてのSTAにIPアドレスを割り当てている。というのも、IPv4は1組織に1つしか割り当てられないからだ。

  • host-idの上位:サブネットid
  • host-idの下位:ホストid

 つまり、IPv4をもらったときは「net-id+host-id」という構造だったが、運用段階になると「net-id+サブネットid+ホストid」という構造になる。したがって、net-id+サブネットid部分を区別することが必要になり、サブネットidまでの長さをIPアドレスの後ろに「(IPアドレス)/(サブネットidまでの長さ)」のような、スラッシュで区切った形で表現している。

特殊なIPアドレス
  • 0.0.0.0:IPアドレスが割り当てられていない場合の送信元
  • 127.0.0.1ループバックアドレス(自分宛)
  • 255.255.255.255:リミテッドブロードキャストアドレス(LAN内のすべてのSTA宛)
  • host-idが全て1:ネットワーク指定のブロードキャストアドレス
  • ホストidが全て1:サブネット指定のブロードキャストアドレス(セキュリティ面でアウト。DoS攻撃される可能性あり)
参考:DoS攻撃について

 前述のサブネット指定ブロードキャストアドレスを使うことによって、Dos攻撃が可能になってしまう。一つの手法は、targetがサブネット指定ブロードキャストアドレスを利用したと偽造することにより、あるLAN内のすべてのSTAからtargetへパケットを送る方法。大量のSTAからパケットが飛んでくるので、targetはシステムダウンする。
 DNS AmpやNTP Amp、smarfなどの方法が存在する。

プライベートアドレス

 家庭、個別組織で用いられるアドレス。クラスはA~Cまで存在する。外部サーバやネットワークに接続するときは、グローバルアドレスに変換する必要がある。

リンクローカルアドレス

 ネットワークに接続されない時に、とりあえず割る振られるIPアドレス。169.254.0.0~169.254.255.255まで用意がある。

オールホストグループアドレス

 224.0.0.1。同じサブネットのすべてのSTAを表すアドレス。リミテッドブロードキャストアドレスと同じ機能を持つ。

IPv4ヘッダ

 1行に4バイトあり、これが基本的に5行ある。したがって、基本的にIPヘッダは20byte。ここからは、各行に関して一つずつ書いていく。

1行目

  • 0~3bit:バージョン
  • 4~7bit:ヘッダ長
  • 8~15bit:サービスタイプ
  • 16~31bit:パケット長
ヘッダ長

 取りうる値は0~15までの値なのだが、ヘッダ長を4byte単位で指定しているため、この値に4byteをかけた値が本当のヘッダ長になる。したがって、ヘッダ長の最大値は15×4=60byte。

サービスタイプ

 IPにおけるデータ転送の優先度を決めている。先頭3bitは優先ビットと呼び、あとの4bitをToSビットと呼ぶ。ToSビットはIPデータグラムをどのように転送するのかを示している。

パケット長

 ヘッダとデータを含むIPデータグラム長をバイト単位で示している。

2行目

 この行にあるのは、IPフラグメンテーションのために使われるもの。IPフラグメンテーションとは、大きなデータを送るときに複数パケットに分割することなのだが、ばらばらに分けたデータグラムを復元するときにいろいろなパラメータが必要になる。この行では、そのようなパラメータを扱っている。
 IPは最大で1500byteまでしか一度に転送できないため、このフラグメンテーションが必要になる。特に、UDPを使っている通信では、データが1500byte以上になるかがわからないため、必要になる(TCPを使っている場合は、データ長が最大1500byteであることがわかっているので問題ない)。

識別子

 ただデータを分割するのではなく、どのデータから分割されたものなのかがわからないと、正しく復号することができない。そこで、同じデータから分割されたものには、同じ識別子が与えられる。復元する際は、この識別子を見て行う。

モアフラグ

 分割されたデータがどこで終わるのかがわからないと、いつまでたっても復元は終わらない。そこで、分割されたデータのうち、途中のものを1、最後のものを0とするモアフラグを導入している。これにより、モアフラグが0の分割データを扱ったときに、そのデータの復元は終了したと確認できる。

フラグメント・オフセット

 どんな順序で分割されたデータが並んでいたのかを識別するもの。注意したいのは、フラグで3bit分取られてしまうこと。したがって、ここに出てくる値は本来の値を8で割ったものになる。真値を知りたい場合は、ここの値に8をかける。

フラグメントされない場合

 分割する必要がない場合は、

  • 識別子は固有の値
  • モアフラグは0
  • フラグメント・オフセットは0

になる。

ユビキタスネットワーク 其の四 20171030

チャネルについて

 簡単に言えば、テレビのチャンネルのようなもの。これが各帯域に存在する。どのチャネルを使うかはAPが決定する。

2.5Gz帯の場合

 チャネル幅は20MHzで5MHz間隔で配置されている。つまり、4つのチャネルが重複してしまっている。したがって、CSMA/CAを使う必要がある。

5.0GHz帯の場合

 1チャネル20MHz。重複しないように配置されている。

フレームの種類とフォーマット

 ACK,DIFS,SIFSなどの情報をやり取りしなくてはならないため、無線LANのフレームはEthernetに比べて複雑になっている(Ethernetはデータだけ送ればOKだった)。

フレーム制御

 最初の2バイトはフレーム制御といい、このフレームがどのような性質を持っているのかを情報として持っている。フレームのタイプには

  • 管理フレーム
  • 制御フレーム
  • データフレーム

の3種類ある。
 また、フラグには

  • ToDS*1:DSへ送る情報だったら1が立つ
  • FromDS:DSから送られた情報だったら1が立つ
  • Retry:再送したら1が立つ
  • WEP:暗号化したら1が立つ

などの種類がある(ほかにもあるけど、押さえておくのはこれ)。

デュレーションフィールド

 次の2バイトはデュレーションフィールドという。ここには、NAVの時間がマイクロ秒単位で入っている。NAVについては、前回の講義ノートを参照。

アドレスフィールド

 宛先や送信元のMACアドレスが入っている。合計で4つ存在しているが、どれを使うかはフレームタイプによって異なる

シーケンス制御フィールド

 ここにはフレームの制御番号(通し番号、id)が入っている。現在の通信では、データをまとめて送ってブロックACKを返しているため、データの区別が必要になる。そのため、このシーケンスは必須となっている。このシーケンスによる制御をシーケンスControlと呼ぶ。

 ここまでは、無線通信におけるフレームの大まかな構造について。ここからは、フレーム制御で指定される3つのフレームタイプについて書いていきます。データフレーム・制御フレーム・管理フレームの3つです。

データフレーム

 フレーム制御で指定されるタイプの値が'01'。
 ToDSフラグ、FromDSフラグでデータの方向を指定している。ここからはToDSとFromDSのビットを(ToDS , FromDS)と表すものとする。

  1. (0 , 0):アドホック通信。APを介さない。
  2. (0 , 1):APからSTAへの通信
  3. (1 , 0):STAからAPへの通信
  4. (1 , 1):DSが無線LANで構築されている Wireless DS による通信

この組み合わせによって、アドレスフィールドに入るアドレスにも変化が出る。基本的に、Address 1 は宛先、 Address 2 は送信元、 Address 3 は真の宛先または送信元、 Address 4 は真の送信元という分類になっている。ここからはアドレス1からアドレス4までの組み合わせを(Address 1 , Address 2 , Address 3 , Address 4)とする。また、Destination Address 、 Source Address 、 Receiver Address 、 Transmitter Address をそれぞれDA 、 SA 、 RA 、 TA と省略する。

  1. (DA , SA , BSSID , 無し)
  2. (DA , BSSID , SA , 無し)
  3. (BSSID , SA , DA , 無し)
  4. (RA , TA , DA , SA)

…といっても難しいので、ひとつずつ書いていこうと思う。

アドホック通信(上記 1. )

 Address 1 は宛先STAのMACアドレス。 Address 2 は送信元のMACアドレス。 Address 3 はこの通信を経由するAPのMACアドレス

APからSTAへの通信(上記 2. )

 Address 1 は宛先STAのMACアドレス。 Address 2 は通信を経由するAPのMACアドレス。 Address 3 はこの通信の真の送り主であるサーバーのMACアドレス

STAからAPへの通信(上記 3. )

 Address 1 は宛先APのMACアドレス。 Address 2 は送信元であるSTAのMACアドレス。 Address 3 はこの通信の真の送り先であるサーバーのMACアドレス

Wireless DS による通信(上記 4. )

 Address 1 は通信を経由する宛先側APのMACアドレス。 Address 2 は通信を経由する送信元側のAPのMACアドレス。 Address 3 はこの通信の真の送り先であるSTAのMACアドレス。 Address 4 はこの通信の真の送り主であるSTAのMACアドレス

制御フレーム

 データ制御に関する機能を提供している。フレーム制御で指定されるフレームタイプの値が'10'。
 RTSCTS・ACKフレームなどの情報が入っている

管理フレーム

 無線LANに接続するときの手順を実現している。フレーム制御で指定されるフレームタイプの値が'00'。

Beaconフレーム

 これは、STAがAPを認識するための手順。
 APが自分の情報を100msごとに広告している。しかし、STAはチャネルごとにBeaconを検知しなければならず、STAがAPを認識するためには、

  • APがあるチャネルでSTAがBeaconを待つタイミング
  • APがBeaconを送信するタイミング

この二つがぴったり重ならなければならない。
 これではめんどくさいので、STAからAPの情報を要求できるシステムになっている。

  1. STAがProbe Request をブロードキャスト(各チャネルを網羅する)
  2. APがProbe Response に自らのAP情報を載せて送信する

このような手順を踏み、STAはProbe Response フレームを確認してAPを検出することができる。

Authentication

 AP情報を受け取ったSTAは、そのAPが本当にいいものなのかを確認しなければならない。そこで、AuthenticationフレームをSTAとAPで交換して確認を取る。この方法には

  • 全てのアクセスを承認するOpen System
  • WEP暗号カギを用いて確認するShared Key

の2種類ある。

Association

 認証が終了したSTAとAPの間でアソシエーションを作る必要がある。これには、初回アクセスと再アクセスでフレームのやり取りが若干違う。

  • 初回アクセス:Association Request / Response フレーム
  • アクセス:Re-association Request / Response フレーム

このフレームのやり取りによって、APは接続されているSTAのMACアドレスを手に入れることができる。

PLCP

 Ethernetのプリアンブルみたいなもの。ただ、無線LANでは状況によって伝送速度が変わるため、どこかに基準を作らなければならない。
 PLCPは「プリアンブル+無線LANフレームの性質」。これを受信するわけだが、この時の伝送速度は一律1Mbpsになっている。基準を作ることによって、状況に依存することなくPLCPを送ることができる。
 このPLCPが前にくっつくため、無線LAN本来の約7割ほどに伝送速度は落ちてしまう

*1:DSとは Distribution System の略。アクセスポイント同士のネットワークと考えておけばいい。

メディア論 其の五 20171106

課題について

 動画の解像度はさほど重要ではない。
 それよりも、トリミングやクリッピングなど、マンガや動画の強みを生かした表現ができるかどうかが評価にかかわってくる。しっかりしていて、意味のあるものを作ろう。
 次回から製作開始です。

メディア論の歴史の補足

 1960年代にマクルーハンはメディア論を確立。この人だけでなく、それ以前の時代にもいろいろな人がかかわってきた。

ベンヤミン

 「複製技術時代の芸術作品」という本を残している。写真に関して研究していたが、第二次世界大戦中、ナチスに追い詰められ服毒自殺。

複製技術

 オリジナルから複製して大量生産。これによってコストダウンが図られ、ブルジョワにも高級品がでまわるようになった。
 ベンヤミンは写真について言及しているが、この時代、車などの工業製品も「金型」技術で大量に複製されていた。

アウラ(オーラ)

 ベンヤミンは「複製されたものにはアウラがない」と言った。確かに、オリジナルと比べて複製品のオーラはなくなっているだろう。

複製の原点は「絵」

 一枚の絵を完成させるのには、画家一人を製作期間中拘束するために必要な費用がかかっていた。そのため、肖像画などは高級品で、一部のお金持ちにしか出回らなかった。
 このような背景があって、「写真」が生まれた。最初の写真は感光材の性能が悪かったらしく、10分も静止したままでいる必要があった。それにもかかわらず、爆発的に普及し、現在では一瞬でデジタル情報として何千枚も保存できるようになっている。

銀食器

 もともと、職人が手作りで作っていた。そのため、高級品。どこかの国には、「誕生日に銀食器を一つずつ集め、結婚するときに嫁入り道具として持たせる」なんて言う風習があるらしい。もちろん、お金持ちだけですが。
 現在では、金型技術や、メッキ技術が発達したため、比較的安価で手に入る。ベンヤミンが言った通り、独特の「味」は無くなってしまったが。

産業革命前後での変化

 産業革命以前は、なんでも手作りで生産されていた。なので、職人と取引していたのは少数の貴族や王族のみだった。しかし、産業革命以後は大量生産が可能になり、ブルジョワなどに製品が行き渡るようになった。
 人々の関係は、職人と貴族の「一対一」の関係から、職人と一般人の「一対多」の関係へ変化した。その後「多対多」の関係が広がっていった。この「多対多」の関係は、ユーザーが発信者となっていることを示している。まさに、今のインターネットだ。

ボードリヤール

シミュラークル

 オリジナルを欠いた複製物のことをシミュラークルという。日本語で「模造」という意味。少しわかりにくいが、都市開発で使うPCシミュレーションなどは、実際には存在しないものを、様々なデータをもとに予測・分析を行ってシミュレートしている。後で出てくる二次創作も、部分的にシミュラークルに当たる。

ハイパーリアリティ

 リアルよりもリアリティがあるもの。例えば、ディズニーランドやCGシミュレーション、グラフィックが向上した最近のゲームもこれに該当する。

Concept of Image

 imageの語源は「何かに似たもの・似せて作られたもの」など。もともと否定的な意味としてとらえられていた。産業革命前後でのimageの認識は

  • 産業革命以前:現実はあるがimageはない
  • 産業革命以後:現実があろうがなかろうが、imageは存在する

のように変化した。
 ボードリヤールも「Imageを通して我々は現実を見るようになった」といっている。

もう一つのメディア論

 複製に関しての論点は「オタク文化論」などに継承されたので、現在でもある程度の有効性はある。具体的には「二次創作」という形で論争になっている。

二次創作について

 一時作品をさしおき、そのパロディなどを用いてユーザーを活発にしている。作者がOKを出せば可能なのだが、ここ最近はそこら辺の規制はないに等しい。これも一種のシミュラークルと呼べる。
 二次創作の是非をめぐる論争は今でも続いている。
 マンガ産業において、日本は世界シェア50%。マンガを世界標準にできれば、日本にとっての一大産業に発展を遂げる。それを狙う手段として二次創作は大きな力を発揮する。この時、情報系からはYouTubeのようなプラットフォームを提供するなどのアプローチができる。
 しかし、二次創作を推進するプラットフォームを作っても、そこで不法アップロードや盗作されてしまったら元も子もない。実際、個人創作を推進するという名目で立ち上がったサイトが一時作品の不法アップロード場所になってる事例も多々ある(最近になってどんどんサイトが閉鎖されている)。著作権との関係、問題は切っても切れない
 少し前に、「二次創作も部分的にシミュラークル」と書いた。例えば、「公式には出ていないストーリーを創作した」なんてことがこれに当たる。妄想や想像で簡単にシミュラークルを作れてしまうのは二次創作の特徴だろう。

これからのメディア

 ここまでは視覚に訴えるメディアだったが、触覚メディアへ移行しつつある。より身近になってきている。また、受け手の立ち位置も単なる受信者からユーザー、そして発信者へ移行している。

付けたし

 今回はボードリヤールの主張に基づいて、「複製」の観点で話が進んでいきました。実体がなくても「複製(Image)」が存在する。それはもう実体なのではないかと思ってしまいます。
 二次創作品は今も増え続けています。オリジナルがあっての二次創作なんですが、現在は二次創作がメインになっているコンテンツもよく見かけます。それでも問題が少ないのは、一次作品の作者は「書いてもらった」、二次創作の作者は「書かせていただいた」という意識で創作しているからなのかなぁと思いました。
 次回からコミックムービー製作なんで、構想練っておきます。