マエカワの備忘録的な何か

思い立ったが吉日

情報通信システム 其の六 20170525

今回は情報源符号化定理の小テスト&情報量についてのお話

情報量というものを定義するにあたって、確率を用いる
 ⇒ \displaystyle aの情報量は \displaystyle aの生起確率 \displaystyle p(a)に依存する.つまり、
    \displaystyle I(a)=f(p(a))

また、次のような性質を持つことが求められる
 ① \displaystyle f(p)単調減少 \displaystyle p(a)が小さいほど情報量は大きくなる
 ②情報量の加法性
   生起確率 \displaystyle p_1,p_2が互いに独立しているとき
     \displaystyle f(p_1p_2)=f(p_1)+f(p_2)
   が成り立つということ.
   ⇒このことが示す意味は、「二つの事象を一気に知るのと別々に知るのとでは取得する情報量に差がない」ということ.

上の二つの条件を満たす関数は
  \displaystyle f(p)=-k\log p
しかない.ただし、 \displaystyle k定数.

自己情報量

 生起確率 \displaystyle p(a)の事象 \displaystyle aが生起した時に得ることのできる情報量は
   \displaystyle I(a)=-\log p(a)
 で定義することができ、この \displaystyle I(a)こそが事象 \displaystyle aの自己情報量になる.

  ⇒底が2の時、ビットネイピア数 \displaystyle eの時ナット.10の時ハートレーと呼び方が変わるらしい.

平均情報量

 背反確率情報源 \displaystyle A=\{ a_1,...,a_M\} において事象が一つ生起するときの情報源の期待値
   \displaystyle H(a)=\sum_{i=1}^Mp(a_i)I(a_i)=-\sum_{i=1}^Mp(a_i)\log p(a_i)
 を確率事象系の平均情報量と呼ぶ.

 この形は情報源符号化定理におけるエントロピーと同じ形になっている.つまり、平均情報量とは確率事象系 \displaystyle Aを情報源としたときの平均符号長の下限といえる.

 注意したいのは \displaystyle p(a)=0の時.この時の平均情報量は
   \displaystyle 0\times \log 0=0
 で平均情報量は0。イメージで言えば、「なんだこいつw何馬鹿なこと言ってんだwwww」くらいでしょうか.

エントロピーの定義について

 熱力学でも出てきたエントロピーという概念.熱力学では無秩序さの尺度だったが、情報分野では「教えてもらう以前の \displaystyle Aに関する我々の持つ知識のあいまいさ」というもの.結局何が言いたいのかというと、知らないことは情報量が大きくて、知ってることに関しては情報量が少ないということ.
 また、情報量=「その事象を知った時のエントロピーの変化量」ともとることができる.これも何を言いたいのかというと、「その事象を知ってどれだけ疑問が解けたか」ってことを言っている.

 \displaystyle H(A)の上下限

   \displaystyle 0\le H(A)\le \log M
  \displaystyle A=\{ a_1,...,a_M\} すべて同じ確率で生起するとき、平均情報量は最大になる.
 この証明は補助定理2.2より導出できる.

社会情報論 其の七 20170529

ボランティア活動について

 情報化が進むにつれて、現地に行くのみならずボランティア活動することができるようになった.

そもそもボランティアはどこから始まったのか

 十字軍:エルサレム奪取のために集められた志願兵のこと.この志願兵こそ、ボランティアの始まりだといわれている.

 また、イギリスの産業革命以後、工業科が進み、公害問題が発生してきた.その結果、環境汚染されていないものを保護していこうという「ナショナルトラスト」のような思想が発生した.
 そのほかにも、休日は汚染の少ない場所で過ごそうという「オープンスペース」という考え方もできてきた.
  ⇒日本の熊野古道(紀伊半島)では独自の植生などにより今「ナショナルトラスト」的な観点から注目されている.その土地の慣習も独自のものがあり、植生によって人間の慣習に影響が出たという一例にもなりうる.

日本のボランティア

 日本のボランティアの始まりは江戸時代の「五人組制度」だといわれている.宗教的に考えていくと、聖徳太子の時代から存在しているともいわれている.

 日本の住民運動は、高度経済成長期の公害問題にに端を発した.
  ⇒環境向上のための運動が各地で起こるようになってくる.

 日本の四台公害もその一例であり、国を相手にした裁判や「被害者の会」なるものも、いまだに存在している.

 この中でも水俣病は海の水質汚染によって引き起こされた問題だったが、海とは関係のない農作物が売れない状態がずっと続いている.何十年たってもいまだに風評被害が残っている.
 東日本大震災における福島の農作物に関しても同じことが起こっている.
  ⇒消費者は「福島県産」であることをそんなに気にはしていない.しかし、物を売る側である卸売業者や店はそこのところに敏感になっている.その結果、福島県産の食べ物が店頭に並ぶことはないのだそうだ.

 上に書いてある風評被害についての問題は、SNSの発達によっても助長されている.間違った情報が簡単に流れてしまうSNSの問題点だともいえる.


 1995年の阪神淡路大震災の時のボランティア活動が評価され、この年は「ボランティア元年」とされている.
  ⇒これが、1998年のNPO法につながる.

 石川・福井、ロシア船の重油漏出
  ⇒被害が出たところをボランティア活動で解決(重油まみれになった水鳥など).賠償金が派生してもいいレベルの問題だが、ロシア側は何もしなかったらしい.

災害ボランティアの起源

 1923年の関東大震災の学生ボランティアが災害ボランティアの起源

 余談
  ボランティア活動を、面接のときのアピールポイントにしているのがどうも引っかかる.自主的にやっていることなんだから、自己PRにも何にもなっていない.自己PRを書くためにボランティア活動をしたのか??

 余談
  京都の人にとって「前の戦争」は「応仁の乱

 NPO:ボランティアというとこっちのほうが想像されやすい
 NGO:国際協力などをメインでやっていて、NPOとは似て非なるもの.

 東日本大震災で目立ったのは「yahoo!ボランティア」や「クリクリ」などの情報ツールを用いた支援
  ⇒しかし、ここで問題になってくるのが「ふるさと納税」でも問題になっているような「ボランティアのお返しがかなり立派なもの」というもの.それではボランティアをした意味がない.

 被災していないところも被災したと思われ、予約キャンセルなどの問題も起こっていた.営業車側から見れば、これはかなりのダメージになる.
  ⇒このような偏見を逆手にとって、「ボランティアツアー」のような奇妙なツアーサービスも現れる.
  ⇒SNSによる情報発信により、その土地の交流人口を挙げることができる.

 被災経験を人に話すことによって安心を得るという人もいる.

 GISを用いて被災状況を確認するというサービスもある.(saigai.info)
  ⇒災害時に上がってきた情報をデジタル地図上にプロットする.
   ⇒ソーシャルメディアマップ(ESRI)

 SNSとマスメディアが連携するようなこともある.


 災害時、情報はリアルタイムのものでないと意味がない.需要供給が釣り合わない.
  ⇒被災地外へのアナウンスが必要になってくる.
    ⇒情報ツールを用いて支援する側へのガイドが必要