メディア分析法 其の七 20170605
共感覚能力とメディアデザイン
テキストの色と心理的効果の関連性
例えば、教科書にマーカーを付けて覚えるなど、色付けすることによって何らかの効果があることは日常生活からもわかる.
この色付けをテキストのイメージから自動的にできればいいのではないか?
自動彩色するにせよ、テキストのイメージに合う色でないと効果なし.
⇒自動付箋機能、広告の自動デコレーション、カラオケ証明、土地の特色に合わせた色で記事を彩るなど、その利用方法は多岐にわたる.
ということで研究のお話へ
これまでテキスト内にある画像の色や色を表す言葉を用いて色付けする手法があったが、テキストの意味との結びつきが弱い.
⇒どんなテキストにも応用できる技術を.
歌詞作成システムをもとにする
⇒歌詞作成システムは指定された画像情報をもとにテキストを生成するシステムだった.その逆をすれば実現できるのではないか.
方法
・35色についての色彩ベクトルを取得
・単語の文章における影響度
・頻度
この3つをもとにしてテキストの色ベクトルを決定する.
前準備としてプリミティブワードの選定をする
⇒ニュース記事内の色彩に影響を与える単語を少量選定
⇒498語が選ばれた(98%が名詞)
プリミティブワード以外の単語に関しては毎度おなじみ潜在的意味解析(LSA)を用いて解析
⇒テキストの色彩ベクトルがわかる.
しかし、テキストの中に未知語が多いと出てきた色と心理的なものとの相関は小さくなる.
追加
色についてだけではなく、感性やフォントについても同じようなことができないだろうか??
テキストに合ったフォントに変換する
⇒やったことは色選定と同じ.で同じシステムをつなげていっただけ.
結果
テキストを入力すると色、イメージ、フォントを推定し表示してくれるGUIを作れた.
精度実験をしたところ、認知的妥当性が示せた.
では、性別、年齢などのユーザーの属性によってその結果は変わってくるのだろうか??
⇒実験してみた結果、年齢、性別での回答の違いはなく、影響はないといえる.
テキストから色への変換ができるということは、色からテキストへの変換もできるといいうこと.だが、高次の感覚から低次の感覚へ影響を与えることは難しい.
⇒しかし、広告(イメージからメッセージを伝える)はそれをしなければならない.