人間工学 其の四 20170516
末梢神経系
中枢と体をつなげるもので、二つの分類をすることができる.
体性神経
・反射弓
・運動神経:錐体路、錐体外路、反射弓のインパルスを最終的に受け取るところ
自律神経(遠心性)
・交感神経と副交感神経
ex)心拍数や発汗作用に影響が出てくる.時に発汗作用は痛みや焦りなどといった感覚にリンクすることが多いので、うそ発見器や痛みの検証にも用いられている.さらに、これらは訓練することである程度コントロールすることができる.
感覚系:感覚情報はあらかじめ処理されている高度情報
特性
・適当刺激
・順応:物理的刺激と感覚は必ずしも一致しているとは限らない
・特殊感覚の法則:感覚の種類によって、通る中枢神経は異なる
・ウェーバー=フェフナーの法則:感覚の強さは刺激の強さの対数に比例する(刺激が細かくても大きくてもしっかりと反応するためだと考えられている)
感覚の研究は視覚聴覚が一番進んでいるが、それ以外の分野についてはあまり進んでいない.
感覚の分類は様々で、例えば、脳神経系を通るものは「特殊感覚」、体制脊髄神経系を通るものは「体性感覚」と分けたり、受容するものが遠隔(嗅覚、視覚)なのか接触(触覚、味覚)なのかなども分類の仕方になっている.
視覚について
錐体細胞は目の奥の中心窩に密集している(黄斑)
⇒つまり目は一点集中型で、それ以外のところは視力が0.3くらいになっている
乳頭には錐体細胞がないため、その部分だけものが見えない(盲点)
ジオプトリ(焦点距離)という考え方は目の屈折力の単位として扱われている.
遠近調節力((近点距離)(遠点距離))で求められる.
⇒しかし、遠点距離は実質なので、近点距離の数値では決まってくる.
⇒60代になると1m離さないと、ピンとよく見ることができないらしい.普通に目が悪くなる近視もちゃんとあるため、ある一定の範囲でしかピントを合わせることができなくなる(老眼)
眼球の運動について
・追跡運動:視野に動くものがあった場合、それを追う.
・飛び越し運動:動くものがない場合の運動(Saccade)
目はスムーズに動いているように感じるが、実はサッカード、注視を繰り返している
サッカード中の映像は全く見えていない(サッカードサプレッション).
⇒目はとんでもない速さで回転するので、見えるもの全て認識していたら脳がパンクしてしまう
サッカードは自分で調節することができないので、ある程度予測を立てて行っている.
⇒しかし、それでもずれてしまうことは多々ある.そのずれを補正することを補正サッカード(無意識停留現象)という.これは、サッカードする距離が長いほど発生する.
・固視微動
目は常に動いている.止まることはない.
目で見えている映像は眼球と相対速度が発生しているものに限られている.相対速度がないものに関しては見えていない.
⇒眼球内の血管などが見えていないのはこの機能のおかげ.
・補償眼球運動
視野に動くものがあった場合、それに合わせて眼球が反射的に動くこと
・遠近感:これは両目の軸索の収束度合いによって発生する.
眼球運動測定法
・眼電図法:目の表面は+に帯電していることを利用した測定法
・強膜反射法:強膜(白目の部分)における赤外線の反射率を測定し、目の向きを測定する.
・角膜反射法;角膜に反射している像の測定によって、角膜の向きを測定
⇒これに瞳孔中心と角膜中心の延長が視軸であることから、視線を計測する方法を瞳孔角膜反射法と呼ぶ.この方法はとても高価.
・画像解析:角膜の形のひずみを測定して視線を知る.
網膜の機能
錯体と桿体で光を受け取っている.
錯体:明暗と色彩を受け取る.中心窩に密に存在する.約700万個.
桿体:1億2000万個.明暗しか受け取らない.中心窩ではまばらに存在し.10~20度近辺に存在している.
構造を見てみると、光を受容するのは眼球の一番奥.
一番奥で受容したのは上に行くにつれて処理され、神経に送られる.
暗順応は二段階で起こる.最初、錐体.その後桿体が順応する.桿体がメインになって順応している.
⇒暗いところで色がわからなくなるのは、桿体細胞で見ているから.
視力は錯体の密度によって決定される.
二点を識別できる能力を測定している,
⇒ランドルト環
1分の空きを識別できる⇒1.0の視力.
⇒この空きの角度の逆数こそが視力として定義されている,