マエカワの備忘録的な何か

思い立ったが吉日

ユビキタスネットワーク 其の三 20171023

光ファイバシステムについて

 光の波長によって減衰率が違う。減衰率をグラフにすると、極小値(1.3μm)と最小値(1.5μm)が確認できる。この波長を使うことによって、光をより遠くまで伝えることができる。
 また、コアの大きさによっても減衰率が変わってくる。コアの直径が広い光ファイバをマルチモード光ファイバというのだが、この光ファイバを使うと入力光以外の波長の光が入ってしまうので、伝送途中に入力光がなまってしまう。これにより、ビット誤りなどのエラーが起こってしまう。

短距離Ethernet

 短距離でのEthernetでは短波長信号、マルチモード光ファイバで十分。また、こちらのほうが安く収まる。
 メディアを表す記号は"-S"

長距離Ethernet

 波長が1.3μm、1.5μmの光は、主に長距離Ethernetと呼ばれるものに用いられる。また、マルチモードファイバやもっとコアの細い光ファイバを用いて伝送距離を延ばす。
 1.3μmの光は、東京-大阪間をつなぐ広域Ethernetサービスで用いられており、1.5μmの光は日本-アメリカ間をつなぐ国家間Ethernetで用いられる。このくらいの距離にならないと、減衰率が極小の光を使っても技術の無駄になるということなんだろう。
 メディアを表す記号は"-L"


…と、ここまではEthernetのメディアアクセス制御(MAC)についての説明だった。ここからは少し触れた論理アクセス制御(LLC)についての説明になる。

LLCヘッダ

 MACヘッダの後ろに計8バイトのLLCヘッダ、SNAPヘッダというものが付く。しかし、この8バイトのうち6バイトは固定値になっているので、実質何もしないといわれている。詳細は

  • LLCヘッダ(3バイト):ビットパターンは「AAAA03」で固定
  • SNAPヘッダ(5バイト):ビットパターン「00+データタイプ2バイト」で固定

 何もしないならいらないじゃないかと思うが、無線LANを実現するためにはこのLLCヘッダが不可欠になる。なので、通信には

  • MACヘッダのみを使った通信
  • MACとLLCヘッダを使った通信

の二種類がある。

無線LANについて

 IEEEの802委員会、11グループで規定が作られているので、802.11とも呼ばれている。

通信方式

 Ethernetでいうハブに対応するのがアクセスポイントと呼ばれるもの。このアクセスポイントとつながっている場合は、端末同士での通信は行わないことになっている。この状態のことをストラクチャーモードと呼ぶ。対して、アクセスポイントがなく、端末どうしで通信している状態をアドホックモードという。

Wi-Fiの由来

 IEEE無線LANについての規約をまとめるだけ。各機器が無線LANに対応するかどうかを確認していたのはWi-Fiアライアンスといわれるところ。このWi-Fiアライアンスの名前を取って、今のWi-Fiという名称になっている。WiFiアライアンスは現在、IEEEと似たような規約作りを行っている。

無線帯域について

 無線局免許のいらない周波数帯が2.5GHz帯にある。この周波数帯は家電(電子レンジのマイクロ波)などにも使われている。このように、無線通信以外に用いられる周波数帯のことをISMバンドと呼ぶ。
 2.5GHz帯のほかに5GHz帯も空いているため、この帯域の周波数を有効活用しようとする動きがみられている。実際、アクセスポイントを買ってくると、そのほとんどが5GHz対応になっている。

無線LANMAC

 ここからは、無線LANにおけるメディアアクセス制御について書いていく。仮定として、各端末はアクセスポイント越しで間接的につながっているものとするが、端末によってはほかの端末と直接やり取りができないものとする。このような状態になっているとき、キャリアセンスができない可能性があり、隠れ端末問題と呼ぶ
 送信生後方法は次の二種類ある。

  • DCF:アクセスポイントと端末が独立に制御
  • PCF:アクセスポイントのみが制御

 一応二つあるが、実際のところDCFのみが使われている状態になっている。なので、DCFを前提として仕組みを書いていく。

仕組み(CSMA/CA)

 基本はキャリアセンスをすることになり、ほかの端末、またはアクセスポイントが通信を行っているときは送信を見送る。また、通信検出が終わっても、一定時間(IFS)待ってから再度送信を試みる(アンテナが一つしかなく、送受信の切り替えに時間がかかるから)。また、DCFに従う時のIFSのことをDIFSと呼び、再度受信状態に戻るための時間をSIFSと呼ぶ。

 衝突が実際に起こったかどうかは検出することができないので、衝突の可能性を探ることになる。送信をしようとした段階で他端末が通信していたときは、DIFS前にランダム時間(バックオフ時間)を挟む。これにより、送信待ちの他端末と再度衝突する可能性を低くする。この方法をCSMA/CAと呼ぶ。バックオフ時間を待っている最中に別の端末が通信状態に入ってしまった場合、その通信が終わった後、残りのバックオフ時間だけ送信するのを見送る

 データを送信し終わったら、アクセスポイントがACKフレームを端末に送信する。このACKフレーム送信時でも、ほかの通信と衝突するとみなされる。従って、周りの端末はデータ送信ができない。
 この通信方法についての模式図を以下に載せる(この図では、DIFSの後にバックオフが来ているが、説明に忠実であるならば「バックオフ→DIFS」。資料には特に書かれていなかったので、次回確認します)。


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 これでも隠れ端末問題を解決できない可能性があるため、RTS/CSTフレームと、NAVを用いて仮想キャリアセンスを行うこともある。

 送信を行う前に、RTSフレームをアクセスポイントに送信する。通信可能の場合はアクセスポイントからCSTフレームが送信される。それと同時にアクセスポイントは他の端末にNAVを送り、NAVの時間だけ送信を見送れという指示を出す。NAVの中身は送信中の端末がACKフレームを送信し終えるまでの時間が書かれている。
 この通信方法の模式図を以下に載せる。


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