マエカワの備忘録的な何か

思い立ったが吉日

社会情報論 其の四 20170508

GISについて

そもそもGISってなんぞや

 GIS(Geographic Information System)とは位置空間情報を重ね合わせ、解析分析していくシステムのこと.位置空間についての情報をVR、ARのようなものに落とし込むことも可能.また、この位置空間情報を分析していくことで、公共選択への応用も効く.
 デジタル地図上にデータを落とし込むことによって新しいものに拡張可能なシステムになっている.

 応用例としては
  ・古地図と照らし合わせて災害時の被害予測をする(ハザードマップ)
  ・近年の地図と比較することによって土地の移り変わりがわかる(森林伐採、埋め立てなど)

GISの利用例

 ①介護に利用
  ⇒どの地域にどれだけの要介護者が住んでいるのかをデジタル地図上で目に見える形にし、把握する.

 ②地すべり危険度(防災)

 ③コンビニの立地(マーケティング)
  ⇒都市と田舎の交通手段の違いを利用する企業もある(駐車場の大きさの決定などに用いられる)

 ④都市開発
  ⇒駅との近さ、近隣の施設の充実度などを指標にして分析する
  ⇒セールスマンの行動パターン解析:どのように回れば一番効率がいいのかを分析
  ⇒汚染物質の濃度:風データ、気温データなどから汚染物質の濃度分布を解析
  ⇒放射性物質の飛来予測

 ⑤地域情報をデジタル地図上に載せることができる
  ⇒地図をクリックするとその地域のテキストが出現する
  ⇒VRを用いて過去の街を体験することもできる
  ⇒VRで得た情報をAR(日常生活)で見ることができる日が来るかもしれない

 ⑥NPONGOの活動紹介

オープンガバメントとGIS

 GISの先進国はアメリカ
  ⇒国土が広い分その土地の状況を知るために発展してきたのがGIS
  ⇒アメリカにはGISの専門家の需要が高いが、日本ではまだまだその重要性がわかられていない

 日本のGIS導入のきっかけとなったのは「阪神淡路大震災.この時の被害状況をデジタル地図上にマッピングしようとしたのが始まり.この時、アメリカをまねて導入された.
  ⇒この時まねた技術は「クリアリングハウス」.これは「情報のデータ」をユーザーに開示するための「場所」で、ユーザーがアクセスすることにより知りたい情報にアクセスすることを可能にしている.詳しいことは下記のサイトの説明がわかりやすかったので載せておきます.
www.pasco.co.jp

 GISとwebの結びつきの強化には「インターネット回線能力の向上」が一役買っている
  ⇒クラウドシステムの発展などが技術向上を後押しした

GIS技術の時間的な流れ

 ・GISを用いたシステムが出てきたのは1960年代
 ・市民参加型のGISなどは1990年代
 ・世界規模でのGIS利用は2000年代から

 市民参加型が始まったころから、これまでGISを利用するしかなかった人たちが自分たちで開発できるという環境が整ってきた.また、開発に必要な環境を政府が提供していたりもしていた.

 しかし、GIS利用には位置情報がくっついてくるため「○○さんの家の前は地盤がもろい」なんてことが情報からわかってしまうこともある.これがGISを使うことによって生じるプライバシー面の問題になってくる.

市民参加型GIS(PP-GIS)

 1996年にアメリカで始まる
  ⇒このころのアメリカではコミュニティ政策というものが策定されていて、これは様々な人種が移り住んでいるアメリカだからこそ.
   ⇒教育・福祉などが地域によって分かれている
    ⇒この違いをデジタル地図上に落とし込み、把握することを目的としている.

地域プラットフォーム型GIS

 次のような例を挙げることができる.

 ・Open Street Map:一般の人が自由に使うことのできる地図
  ⇒自分も初めて知ったが、Google Mapはむやみにプリントなどしてはいけないらしい

 ・Volunteered Geographic Information(VGI)
  ⇒民間の人を感度の高いセンサーとして扱い、その人から地理空間情報を吸い上げることにより地図を生成していく.

メディア分析法 其の六 20170529

知識写像を利用したメディアについて

 脳の中の知識ネットワーク(semantic network)は類似性と頻度で組織化されていく.
  ⇒経験することにより痕跡(トレース)が残る.

 痕跡が蓄積されることによって成功のイメージが具体的に現れ、そのプロトタイプ(成功するイメージ・スキーマ)となっていく

 「定着させるためには繰り返し行え」というのは、このような人間の性質からいわれていること.

抽象化(スキーマ化)

 複数の経験に存在する共通点を抽出
  ⇒これがスキーマになっていく

 この処理は昔のAIは行うことができなかったが、現在のAIでは行うことができるらしい.
  ⇒これこそが教師無し学習方法.自分で特徴を抽出して精度を上げているようです.


スキーマについてわかりやすい資料があったので、埋め込んでおきます.overkast.jp


 このスキーマ化が速いほど、ある事象について自分の過去の経験との結びつきを簡単にできる人ほど、「のみこみが速い」といわれている.

 絶えず耳に入ってくる言語知識に関しては、このスキーマ化を絶えず行っているといえる.


 ここで講義では、結構前のハーゲンダッツのキャッチコピー「Shall we HaagenDazs?」を例にとった.
 「shall we ~ ?」と「ハーゲンダッツ」という言葉を知っている人からすれば、本来動詞が入るべき場所に固有名詞が入っていても、「一緒にハーゲンダッツを食べませんか?」みたいな意味として受け取れる.これは自分の過去の知識から推測して新しい意味を生成することができるという人間の抽象化による現象だろう.

基本レベルカテゴリ

 ここまでネットワークについて書いてきたが、そのネットワーク階層の中には「使用頻度が高く」「ほかのカテゴリとの結びつきが容易」な「基本レベルカテゴリ」が存在する.
 例えば机を見たとき、頭に浮かぶのはどのような言葉だろうか.おそらく、「家具」と浮かんでくる人はあまりいないだろう.大体の場合、「机」という言葉が浮かんでくるだろう.この「机」こそが、知識階層における「基本レベルカテゴリ」になっている.
 特徴をいい感じで含んでいる語句が基本レベルカテゴリに属している.が、この「いい感じ」は主観的に異なるので、人によって基本レベルカテゴリは違った要素を含んでいる.

 これについても「いい感じの」サイトがあったので拝借.
 基本レベル効果とカテゴリー - 英語日記


タレントによるブランドイメージの生成について

  タレントイメージ、ブランドイメージの階層はほとんど同じで、下から「属性」「ベネフィット」「パーソナリティ」「イメージ」の4つに分類される.その中でもパーソナリティ層がタレントからブランドイメージに転移しやすいことがわかっている.これをMeaning Transfer Theoryと呼ぶ.また、これこそがタレントによる知識写像という今回のテーマになっている.
  そのほかにもタレントの信頼性が大きいほうがメッセージを受け取りやすいSource Credibility Theoryやタレントの魅力によってメッセージの受け取り方が変わるSource Attractive Theoryなどがある.

  しかし、タレントのパーソナリティが転写するとは言うものの、タレントやCM(商品)の属性によって転写するイメージは異なってくる
   ⇒女優を起用すると、その演技力によってCMに必要な因子を強く転写することができる.
   ⇒個性の強いタレントを起用すると、その個性に商品が染まっていく.

  たくさん起用してしまうと、その効果も徐々に薄れていってしまう.
   ⇒どのCMにも同じタレントが起用されているとなった場合、それぞれの商品の個性が薄れていってしまう.メリハリがなくなる.