マエカワの備忘録的な何か

思い立ったが吉日

人間工学 其の五 20170523

更新が遅れていますが、何卒ご容赦を…。

視覚についてもうちょっと

 視野:視軸をもとにして見える範囲のこと

聴覚について

 20Hz~20kHzまで対応している

 耳の蝸牛内の基底膜で周波数分析をする.
  ⇒人間知らず知らずのうちにフーリエ級数展開しているということです.

 最小可聴限界、最大可聴限界とがあり、小さすぎても聞こえないがうるさすぎても聞こえない.人間がしゃべる音は800kHzくらい.
  ⇒最大可聴限界については、その値になるまでに人間の鼓膜が壊れてしまう.

音源の方向

 低音では時間差高音では強度の差で方向がわかる.
  ⇒低音域では位相の差がはっきり出てくるが、高音域ではあまり出てこないため.

 距離感をどのようにして把握しているのかは現段階で不明になっている.

体性感覚

まずは表面感覚(触圧覚・温覚・冷覚・痛覚)から

 触圧覚の受容器
  ・自由神経終末:表皮に存在し、順応せず
  ・パチニ小体:最大の受容器(500 \mathrm{\mu}m).順応が速い.
  ・マイスナー触小体:指先に存在.材質感などを受容.
  ・メルケル触小体:マイスナーとほぼ同じところに存在.順応が遅い.

  順応の速さからそれぞれ検出するものが違ってくる.
   パチニ小体⇒加速度検出
   マイスナー触小体⇒速度検出
   メルケル触小体⇒強度検出

 温覚の受容器
  ルフィニ小体

 冷覚の受容器
  クラウゼ小体

  ⇒ルフィニ小体とクラウゼ小体はともに皮膚深部に存在し、3秒で順応する.

深部感覚

 筋紡錘:筋肉に並列⇒筋肉の伸びに関係(求心神経である Ⅰaによって伝達)
 ゴルジ腱器官:筋肉に直列⇒力の検出に関係( Ⅰbによって伝達)
 ルフィニ終末:間接に存在.曲がり具合を検出

 補足:筋紡錘は筋肉の動きに合わせてインパルスを伝達するだけではなく、自らが伸びてインパルスを出すこともできる.( \gamma刺激)
    これは、単シナプス反射の時にも出てきたメカニズム.

感覚刺激の流れ

 視覚、聴覚などはそれぞれ受容器で受け取った刺激を伝達するルートを持っている.例えば、網膜で受け取った刺激は第1次視覚野や視床枕に伝達され、脳で認識できる.

 ⇒感覚ごとに並列処理された後、情報統合される.このことを感覚モダリティなどという.

 感覚モダリティ:感覚様相ともいう.何が言いたいのかというと、感覚の様相(種類)は別々に処理されているっていうこと.

 第1次感覚細胞:一つの細胞で受容電位と運動電位を処理する.
 第2次感覚細胞:複数で処理する.

  ⇒嗅覚、体性感覚は1次感覚細胞.

運動系

骨格系

 筋系
  特徴
   ・随意(自分で動かせるってこと)
   ・屈筋と伸筋で対になっている.
   ・運動単位:1本の \alpha線維が支配する筋線維群
   ・神経筋単位:運動神経も含めたもの
   ・神経支配比
   ・機能分化:筋線維ごとに特徴があり、それぞれに合った機能を有している
    ⇒FT線維(白筋・速筋)、ST線維(赤筋・遅筋)など

  筋収縮の様式
   等長性収縮:運動谷の増減によって力を変えるリクルートメントに使われる
   等尺性収縮:収縮間隔の変化によって力を変えるテンポラルサミュエーションに使われる.

   リクルートメントとテンポラルサミュエーションの比は2:8になっている.

   筋線維が興奮する順番は直径が小さいものから大きいもの
    ⇒力が弱いうちは細かな調整をしたいから.

   筋疲労時に力を出そうとすると筋線維を同時に収縮させる.この間隔が短くなることにより、力は出る.が、震える.
    ⇒テンポラルサミュエーションによるもの.

   筋小胞体からカルシウムイオンが滑りこむことによって細いフィラメントが太くなる.
    ⇒これが筋収縮の正体.
   時間がたつとカルシウムイオンは小胞体に戻り、筋線維は伸びる.

コミュニケーション論 其の五 20170518

最初は今回と関係ない話(ちょっと関係ある)

 数分間、東日本大震災直後のACのコマーシャルを見た.

報道ステーションのトピック「原発、私はこう思う」

  養老孟司さんが出演していた回を見た.ここで養老さんは、「原発問題には中間の意見がない.(エネルギーに対しての)価値観が変わって社会が変わる.」と言っている.
  前回の最後に言及していた「原理主義ってどうなの?」という話とリンクする部分がある.「情報と法規」で扱っているような弁証法的考え方が、必要になってくるということだろう.
  少し話の中身は変わってしまうのだが、この前見ていたテレビで「豊洲移転問題」についての意見をぶつけ合う趣旨のものがあった.ここで誰かが「新幹線だって最初は信用されてなかったんですよ.運行開始から今まで無事故っていう事実が「安心安全」になる.」と言っていた.これは養老さんの言う「価値観が変わって社会が変わる」というものと関係ありそうだなぁと勝手ながら思いました.

「思う」と「考える」の違い

  平常点レポートの文章の大半が「思う」で終わっていたことを見かねてこんな話がありました.
  「思う」のはターゲットが一つで、「考える」のは複数のものたちを対応付けているとのこと.
  客観的な文章に「思う」は不適切ってのは前々から言われていること.

記憶について

 記憶は再構成されている.入力⇒ためる⇒思い出すという流れではない.
 個人の記憶を外部に取り出すことができるかもしれない.その時期はわからないが、おそらく2045年と言われているシンギュラリティではないか??

ビデオ資料①「記憶の海へ」

  ストレスがかかるとその方向にバイアスがかかり、記憶に偏りが出てしまう.
  ウェポンフォーカス効果
   凶器にばかり目が行ってしまい、その他の部分、例えば犯人の顔とかに注意が行かない現象

  三億円事件も目撃者の記憶が操作の頼りになっている.

  誤認逮捕で人生がめちゃくちゃになってしまうことも多々ある.
   たとえ10㎝の距離にいたとしても、記憶はあいまい.


  ここでアメリカのあいまいな記憶に関する事件についての話に.
   20年前の記憶が殺人事件の記憶と一緒によみがえる.
   父親と友人と一緒に湖に遊びに来ていたところ、友人が何者かに襲われ、行方不明.その後死亡していたことがわかった.
   よみがえった記憶によると友人を殺したのは父親らしい.

   裁判の結果、父親は有罪.無期懲役になった.

   その後、一人の心理学者が判断材料になった「よみがえった記憶」に異議を唱える.その当時の感情が偽の記憶を作り上げてしまったのではないかと.


   川島隆太教授によると
    好き嫌いは脳の別々の領域で処理している.
    記憶のメカニズムは「パペッツ回路」というもので、過度なストレスがかかることによりこの回路が途切れ記憶がなくなる.しかし、その時の感情だけは残っている.


   よみがえった記憶は他人に作られたものである可能性がある.その要因としてセラピストによるものや、それ以前の父親に対する感情などがあげられるが、それも自分の記憶であるか定かではない.

   結局、再審で父親は無罪.釈放された.

   記憶とは水に入れた一滴の牛乳のようなもの.一度混ざってしまうと、どれが牛乳でどれが水なのかわからなくなってしまう.


  ⇒結局この事件はうやむやのままになっている.これをきっかけに、アメリカ各州では記憶を証拠として認めないものとし、セラピストのもとには「記憶を作られた」と訴える客が押し寄せたそうだ.家族関係も最悪になり、人の記憶のあいまいさや無条件に信じることによって起こる弊害も見せられる事件になっている.

この事件についての記事がありましたので下に載せておきます.
diamond.jp