マエカワの備忘録的な何か

思い立ったが吉日

メディア分析法 其の八 20170612

オノマトペ

 これまで、人の感性を測るためにSD法を用いてきた
  ⇒あらかじめ決められたものに関してしか評価できない.そもそも人は分析的に評価することができるのか?
   ⇒必ずと言っていいほど自分の主観が入ってしまうため

 こんな背景から、感性の測定法としてオノマトペが注目される.

 オノマトペ(擬音語擬態語)
  日本は特に種類が甥が、海外にも同じようなものがたくさん存在する.

ブーバ・キキ効果

 音と 図形の視覚的印象の連想効果

 例えば、 aの音は iの音よりも大きなイメージを持ちやすい.


 言語学の分野では音と意味の結びつきはいろいろ研究されている.
 言語学以外でもマーケティング分野でこの手の研究はされている

マーケティング関連の研究結果

 ・ c p kで始まる商品、ブランドネームは人気が出やすいことがわかっている.
 ・ブランドネームの発音は製品属性を消費者に伝える

  ex)アイスクリームのブランドネームの候補としてFrishとFroshが考えられたとき、FroshのほうがFrishよりもいい印象がある.

 疑問:アイスのクーリッシュ、なぜクーロッシュにしなかったのだろうか??

日本のオノマトペの構造

 オノマトペ1モーラまたは2モーラで構成されている.
  ⇒モーラとは拍のこと.
 子音と母音の組み合わせだけでなく、その中に含んでいる音の組み合わせによっても意味やイメージが変わってくるもの.

ということで研究について

 手触りのイメージをオノマトペで表現(形容詞と比較する)
  ⇒オノマトペのほうが形容詞に比べて発想しやすい.また、素材ごとに違った表現をすることができる
  ⇒オノマトペは素材の表面状態を表現するのに向いている

結果

 オノマトペの音に結び付けられるイメージと連動して、オノマトペによって引き起こされる快不快は異なっている.
  ⇒音と五感は共感覚的に結びつく

 また、得られた結果である音韻それぞれが持つ質感の43尺度の線形和と実際の被験者の回答は有意だった.

メディア分析法 其の七 20170605

共感覚能力とメディアデザイン

テキストの色と心理的効果の関連性

 例えば、教科書にマーカーを付けて覚えるなど、色付けすることによって何らかの効果があることは日常生活からもわかる.

 この色付けをテキストのイメージから自動的にできればいいのではないか?

 自動彩色するにせよ、テキストのイメージに合う色でないと効果なし
  ⇒自動付箋機能、広告の自動デコレーション、カラオケ証明、土地の特色に合わせた色で記事を彩るなど、その利用方法は多岐にわたる.

ということで研究のお話へ

 これまでテキスト内にある画像の色や色を表す言葉を用いて色付けする手法があったが、テキストの意味との結びつきが弱い
  ⇒どんなテキストにも応用できる技術を.

 歌詞作成システムをもとにする
  ⇒歌詞作成システムは指定された画像情報をもとにテキストを生成するシステムだった.その逆をすれば実現できるのではないか.

方法

  ・35色についての色彩ベクトルを取得
  ・単語の文章における影響度
  ・頻度

 この3つをもとにしてテキストの色ベクトルを決定する.

 前準備としてプリミティブワードの選定をする
  ⇒ニュース記事内の色彩に影響を与える単語を少量選定
   ⇒498語が選ばれた(98%が名詞)

 プリミティブワード以外の単語に関しては毎度おなじみ潜在的意味解析(LSA)を用いて解析
  ⇒テキストの色彩ベクトルがわかる.

 しかし、テキストの中に未知語が多いと出てきた色と心理的なものとの相関は小さくなる

追加

 色についてだけではなく、感性やフォントについても同じようなことができないだろうか??
 テキストに合ったフォントに変換する
  ⇒やったことは色選定と同じ.で同じシステムをつなげていっただけ.

結果

 テキストを入力すると色、イメージ、フォントを推定し表示してくれるGUIを作れた.

 精度実験をしたところ、認知的妥当性が示せた.

 では、性別、年齢などのユーザーの属性によってその結果は変わってくるのだろうか??
  ⇒実験してみた結果、年齢、性別での回答の違いはなく、影響はないといえる


 テキストから色への変換ができるということは、色からテキストへの変換もできるといいうこと.だが、高次の感覚から低次の感覚へ影響を与えることは難しい

  ⇒しかし、広告(イメージからメッセージを伝える)はそれをしなければならない.