社会情報論 其の八 20170605
環境問題
一番ネックになってくるのは責任倫理
最近、パリ協定からアメリカが離脱.
⇒フランスや各国が避難している.
情報化の影響で環境問題へのアプローチも変化してきている.
⇒この環境問題こそがリスクコミュニケーションの始まり.日本ではダイオキシン問題が当たる.
可動堰問題 吉野川
吉野川で起こった問題.
⇒吉野川は洪水を起こす川として知られ、利根川などと一緒に「四国三郎」と言われている.その洪水の被害は江戸時代の時点で堰を作らなければならないほどだった.
その堰を新しく作るのか作らないのかで意見が割れてしまったのがこの問題の核になっている.
賛成側
江戸時代に作ったものは老朽化が進んでいるので、修繕し、防災に力を入れるべき.
反対側
・可動堰を作ることで下流域の生態系が変わってしまうかもしれない.
・巨額な費用をかけて実行するべきことなのかがわからない.
⇒この時期、全国的に河川開発に対する疑念が広がっていた.
ここでリスクとハザードについて
リスクは起こる可能性があるということ.ハザードは必ず起こることを指している.そして、この二つは全く違うものとして扱わなければならない.
ポテトチップスの値上げ、販売停止は去年の台風が北海道にまで到達してしまったことが原因になっている.このような何年に一度レベルのものはリスク側に入れる.
1999:インターネットでの署名を集める運動が高まってきた.
余談:反対運動の中心となっているのは若者.現在はSNSで反対運動を求めることにより、思想を広めることができる.
⇒結局反対者が多く、計画を白紙にするしかなくなってしまった.
現在の視点で考えると、どのような答えが最適解だっただろうか??
川辺川のダム建設問題 川辺川 五木村
川辺川について少し.
日本最後の清流として知られ、尺鮎が有名らしいです.
ダム建設計画が発足したものの、40年たってもいまだに着手されていない.
補足:八ッ場ダムの建設の時も一悶着あり、長期化した代表例.建設予定地の周りの住人が一番被害を受けている.
ダムができるということで居住区を移したが、建設がストップするなんてことも.
バックウォーター現象が起こるということでダム建設が発足したという背景もある.
⇒ダム問題が長期化することで、五木村で反対を取り下げ.反対運動を続けるにも気力、体力がいる.住人はともに限界だった.
バックウォーター現象:閉水路において、下流域の水位の変化が上流にも影響してしまう現象のこと.
しかし、その後「ダムはいらないんじゃないか」と考えた下流の人たちが反対運動を始めてしまう.
⇒このとき、ネットを利用し、「尺鮎トラスト」という資金確保の策を講じる.尺鮎を売った金で反対運動の資金源にしている.FacaBookも利用している.
⇒結局、「脱ダム宣言」などにより延期に次ぐ延期.いまだに完成には至っていない.
今まではこの手の問題はその地域の人たちの中で納まっていた.
⇒今はネットで拡散してしまい、当事者以外のところで議論されてしまっているケースもある.
沖縄の反対運動.外部から反対のプロが来ている.
原発の時を例に挙げると、疑心暗鬼になっている状態では突拍子もない情報を信じてしまう.
⇒SNSでいろいろ情報が混じっていき、どれが本当の情報なのかもわからない状態に陥る.
この時、研究者のことをぼろくそに言っている人などがいたが、これは一般の人たちが求めている情報と研究者が言えることのギャップがあったから.
⇒一般人は「確定要素」をほしがっているが、研究者側からしてみれば「可能性がある」リスクまでのことしか言うことができない.このギャップによって研究者不信につながったと言われている.
リスクの考え方が違うと、選択も当然変わってくる.
⇒SNSによる情報爆発も相まって難しくなってきている.
リスクコミュニケーション
日本では化学物質の環境リスクが始まりで、PRTR制度とのかかわりが強い.
PRTR制度についてのリンクを張っておきます.簡単に言うと、どれだけ化学物質が排出されるかを公表しましょうってやつ.
www.env.go.jp
しかし、これはあくまで事業者の自己申告制.
⇒根本的な防止策としての役割は浅い.